対象年齢を三歳以下に限って陽性率を算出すると、これらはほぼ二○%に上昇する。
アレルゲンによって陽性率の分布パターンが異なっていることに気づく。
卵白、牛乳、大豆では陽性症例のほとんどが三歳以下に限られているのに反して、ダニやカビの年齢別陽性率の変動パターンは、年齢が一七歳以下では加齢とともにパッチテスト陽性率は徐々に低下し、一八歳を超えるとふたたび増加傾向に転ずる。
同様の傾向は食物でもエビ、カニにおいて認められる。
したがって、アレルゲンによっては乳幼児期にのみ陽性率の高いもの、すなわち卵白、牛乳、大豆などと、かなり高年齢層まで高い陽性率を示しつつ徐々に低下し、その後ふたたび陽性率の上昇が見られるアレルゲンとがあることがわかる。
このことはアトピー性皮膚炎患者の年齢層によって、どのアレルゲンを重要視すべきであるかを示している。
アトピー性皮層炎患者の個々の症例について原因アレルゲンを調べていくと一種類のみ陽性というのは稀である。
とくに、擢病期間が長期にわたる難治性のアトピー性皮膚炎では多種類のアレルゲンが証明されることが多い。
したがって頑固な難治性アトピー性皮膚炎においては、原因アレルゲンの特定という作業が困難ではあるが、治療の面からも重要なポイントとなろう。
皮膚の構造と発症機序ヒトの皮層は、表皮、真皮、皮下脂肪組織の三層から構成され、表皮の最外層は角層と呼ばれる薄い膜で覆われている。
表皮は、表皮細胞が瓦状に積み重なっていて、常時新しい細胞が下からせり上がってくる。
古くて不要になった表皮細胞は角層から剥がれ落ちる仕組みになっていて、それが垢である。
表皮にはランゲルハンス細胞と呼ばれる樹枝状の突起を有する細胞が表皮細胞の間に点在している。
この細胞はアレルゲンが皮膚の表面から角層を通過して侵入してきたとき、いち早くそれをキャッチする機能を持っている。
そして、アトピー性皮層炎患者の皮層の表皮ではその数が増加することと、その細胞膜面にIGE抗体が結合しているのが特徴的である。
IGE抗体はアレルゲンに特異的かつ強い結合力を持つので、ランゲルハンス細胞がアレルゲンを捕捉しようとする作用を促進させるように働く。
一方、真皮は線維と毛細血管が網目状に交錯していて、その間に線維芽細胞、組織球、リンパ球などのいくつかの種類の細胞が介在する構造になっている。
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